機密機関DA(DirectAttack)に所属する戦闘員。孤児を集めて構成された部隊であり、アニメ4話まででも男でリコリスとなった存在は確認できていない。
なぜ女子であるのか、なぜ女子高生なのか。大人では元リコリスの存在は確認されているが、現役ではやはり女子高生まで。
階級がわけられており、
赤い制服のファーストリコリス、紺の制服のセカンドリコリス、ベージュのサードリコリス。
数の多さとしては
サード>>>>セカンド>>>>>>ファースト
くらいの差があるのではないだろうか。
3話ではサードリコリスがたきなをひどく言っている様子が描かれており、サードリコリスも普通の、年相応の女の子という事実を視聴者に認識させている。
しかし4話、地下鉄テロリスト襲撃事件で作戦に参加していたリコリスはすべてサードリコリスである。
しかしリコリスの存在は世間には知られず、リコリスの犠牲もすべて事故として処理されてしまう。
戸籍のない孤児は使い捨ての道具として扱いやすいのか。
リコリス・リコイルOPであるALIVEのサビ「願った、存在の証明を」
この歌詞のとき、映像はサードリコリスの団体が背中を向けて歩いている。
存在の証明。使い捨ての道具として描かれているサードリコリスは己の存在を残すことができるのか。
悲しい運命に声を震わせ叫び続ける。
リコリスとは彼岸花のことである。
彼岸花と言えば毒があり、葬式やお盆など、人の死に関係する場面でイメージすることが多いだろう。
悪人にも最後の手向けとして彼岸花を。なんとも悲しく美しい。
リコリス(Lycoris)の語源はギリシア神話の女神 リュコーリアス(Lycorias)からきているとされている、
種名はラジアータ(radiata)で、意味は放射状。奇しくもリコリスの機密性を担う最強のAIと同じ名前である。
しかしリコリス・リコイルの世界にはリコリスが多い。
リコリスたちはなぜ孤児になったのだろう。
リコリスによって消された犯罪者(という概念すらもないのだろう)の娘たちがリコリスになるのだろうか。
2話の赤い帽子をかぶったテロリストが印象的だった。
千束の「今日、夕飯は誰と?」という問いに「家族だ」と返していた家族と夕飯を食べる人。
同じテロリスト仲間のことを家族と呼んでいるのか、はたまた家庭があり戸籍上の家族がいるのか。
千束の発言からもわかるようにリコリスには戸籍はない。
一話冒頭、
「大きな街が動き出す前の静けさが好き。平和で安全、きれいな東京。日本人は規範意識が高くて、優しくて温厚。法治国家日本、首都東京には危険などない」
「社会を乱す者の存在を許してはならない、存在していたことも許さない。消して消して消して、きれいにする。危険は元々なかった」
「平和は私達日本人の器質によって成り立ってるんだ。そう思えることが一番の幸せ、それを作るのが私達リコリスの役目…なんだってさ!」
危険人物の存在がなかったことになる世界で、危険人物の家族だった存在はどのように扱われるのか。
大人も子供もDAに保護され、子供の中で特に優秀な人材はリコリスとして選ばれる。
もしそうなのであれば、リコリスの多さにもうなづける。
家族に捨てられたのではなく、家族なんていなかった。
そう教えられ、育てられた少女たち。
「私たち孤児にとってDAは親のような存在」
リコリスがリコリスを生み、育て、新たなリコリスが誕生する。
作品名である「リコリス・リコイル」直訳すると「リコリスの反動」
反動とは何なのか。銃撃戦のある作品で、語呂がいいからリコイルを採用したのか。
はたまた意味があるのか。考察は続く。
10年前、旧電波塔がテロリストの襲撃を受けた。
それをたった一人で救ったリコリス「錦木千束」
彼女の才能は卓越した洞察力で可能にした銃弾避け。
しかし千束は当時7歳だった。
7歳の少女を戦地に送り届けるのか。
リコリスとはいったい何なのか。
作品の世界の日本は治安が世界一。
しかし背景はどうも物騒だ。
4話、地下鉄を真島率いるテロリスト集団が襲った時、一般人は駅に一人もいなかった。
子供も多くでてきた回なので、おそらく日曜日、世間的にも休日である。
日曜日の午後、時間的に15~16時当たり。
現実の日本ではスカイツリーのあるソラマチ周辺がにぎわっているのに、なぜ「北押上駅」には一般人が誰一人としていなかったのだろう。
電車が到着したとき、これもまた乗客はおらず、中にいたのはサードリコリスのみであった。
リコリスはなぜテロリストの襲撃を予測し、一般人を逃がすことができたのだろう。
真島が歩くと作業服の男が姿を現す。
柱を抜けると数が増える。
テロリストの仲間は駅構内で待機していたのか。
演出だとしても演出ですとは言い切らせないのがリコリス・リコイルだろう。
不穏な描写は多い。